薬局で待つなんてウンザリ！なあなたへ。
病院で待たされやっと診察が終わり処方箋を持って薬局へ行ってみたら待合の席も一杯！
「しんどいのにここでも待たされるのか・・・」
順番もバラバラで「なに！後から来た人が先に薬もらってる！」
イライラしながらやっと自分の番がきて受け取りにカウンターへ行ったら薬剤師の最初の言葉が『今日はどうされましたか？』
プチっ！
「どうしたかはもう医者に話した！薬渡すだけのヤツになんでもう一回はなさなあかんねん！こっちはしんどいんじゃ！ボケっ！」
と、爆発しそうになることはないですか？(汗)
実際に言葉を荒げる患者様もいらっしゃいます。
そこで今回は薬局ではなぜこのような流れが起きるのかを理解してもらいます。
それにはまず、薬局内の業務の流れを理解してもらわないといけません。
処方箋を出してから薬を受け取るまでの間に薬局内ではどのようなことが行われているのでしょう？？
まずあなたが差し出した処方箋は2つのルートに分かれていきます。
一つ目は医療事務スタッフがパソコンへデータを入れ込むルート。
パソコンへ処方箋の内容を入れ込むことで患者様の支払い金額が計算され、薬剤情報提供文書(薬の写真や服用の説明、注意点、副作用や効能・効果が書いてあるやつです)、明細書、領収書などが印刷されてきます。
二つ目のルートは調剤室内での調剤・監査のルート。
処方箋を受け取ったスタッフがすかさず処方箋をコピーしているのはそのためです。
調剤室内では処方箋の写しを見ながら薬が集められます。
ほとんどの薬局ではこの集薬行為は人間により行われるので、処方されてる薬が多い人はどうしても時間がかかります。
また、一包化の患者様の受付があれば薬をシートから出して1回で飲む薬を1つの袋にパッケージする作業が加わり、この作業に1人の人員が奪われるので更に回転が悪くなります。
このような調剤が済んでもまだ終わりではありません。
薬は病気を治したり、症状を和らげるよいものであると同時に、使い方を間違えれば命に関わる重大なリスクも持ち合わせてます。
そこで調剤の内容に間違いがないか別の薬剤師がチェックを行います。
あなたが待ってるときに薬剤師がパソコンを凝視してるのを見たことがありませんか⁇
あれはパソコンに記録されてるあなたへ過去渡した薬のデータや、その時の話の内容を確認してるんです。
そのほかにもあなたが過去に苦しんだ副作用歴やアレルギー歴がないか、あるのであれば何の薬で起き、今回の薬で同じ副作用やアレルギーが出ることはないか。
記録されている他の病院でもらってる薬との飲み合わせは問題ないか。今持ってる病気に対して今回の薬の服用は問題ないか。
事務スタッフによる処方箋のパソコンへのデータ入力に問題はないか・・・
あなたが思っている以上のチェックがそこでは行われてます。
そしてやっと患者様を呼び出しカウンターへあなたの薬が並びます。
さらに薬剤師の仕事は続きます。
カウンターでいざ対面したときに、今度はあなたの今の状態に対して処方されている薬は妥当なのか？をチェックします。
ここで、上で書いた「今日はどうされたのですか？」の質問が出てくるんです。
医師は病態(病気の状態)を判断し、それに合った薬を処方します。
一方で、薬剤師はその名前の通り「薬剤」について特化してます。
飲み合わせや効能・効果、副作用はもちろん、薬が体の中でどのように取り込まれどこでどうなって目的とする効果が出るのかを理解してます。
患者様の話を聞き、医師が目的としてる効果を得られる薬なのか？患者様の訴えに対して妥当な薬剤選択が行われているのか？も判断する必要があります。
薬を安全にかつ最大限に有効利用したいですよね？
副作用の発見が遅れて深刻な事態になりたくないですよね？
薬剤師の薬の説明には副作用の初期症状が含まれます。
よく、「〇〇なことが出たりしたら相談してください。」
「この薬を飲み始めて〇〇な症状はないですか？」
と聞かれているはずです。
全てあなたを薬害から守るための確認事項です。
話をしながら多くの薬剤師はあなたの手が震えていないか。顔色はどうか？表情は？
口に不自然な動きはないか？
肌の状態は問題ないか？目の充血や白目の状態、腕のあざの有無など見た目で気付ける副作用発現がないかまで観察してます。
待たされるのがしんどいのは重々承知です。
でも、薬剤師は薬の素晴らしさと同時に、誰よりも薬の恐ろしさも知っています。
薬であなたが苦しむことがないよう励んでますのでどうか理解してもらえたら幸いです。
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